現場の問題とその解消方法

介護士の人手不足がマスコミなどで取り上げられ、国が重い腰をあげました。2015年に介護職員処遇改善加算制度を設け、現場で働く介護士の待遇を改善する取り組みが行われています。
ただ、給与の引き上げを行ったとしても、人材不足が改善されていないという事業所は少なくありません。給与面が改善されても、ギリギリの人員で運営されている施設がたくさんあり、労働条件の悪さが離職の大きな原因になっています。

高齢化が進む日本では、施設に入居したいと考えている高齢者が年々増加の傾向にあり、その中でゆとりのない人員で運営が行われているため、離職者や病欠が出ると介護士1人にかかる負担がとても重くなります。事業所も人が辞めれば求人を出しますが、人手不足で忙しい最中では落ち着いて新人教育をする余裕がないのが現状です。
経験が重視される介護現場では、毎日覚えなければいけないことが山ほどありますが、結局は慌ただしく仕事をしながら先輩介護士を見よう見まねで覚えていくことがほとんどです。当然、入居者の命に関わることもあるので、声を荒げて怒られることもあります。このような状況の中、真剣に高齢者と向き合って介護の仕事がしたいと考えている人ほど自信をなくすことになります。
給与が安いことがクローズアップされることの多い介護士ですが、人材不足の背景には現場で無理を通して頑張っているスタッフの現状もあるのです。
介護の仕事内容は多岐にわたるので、今後の課題として役割を分担して人材の使い分けをすることが大切になってきます。